かなしい
入院から10日目のゆっくりな朝に夫が亡くなりました。
私は側に居られました。
良かったです。
「ごめんね、ジュース買ってきたけど間に合わんかったな、ごめんね」
と言ったら
夫は目を閉じたまま、口は半開きのまま、(うん)とこっくりうなづいて
亡くなりました。
搬送されるまでずっと横に居ました。
顔を触ったり、お互いよく乗り切ったな、がんばったな、さびしくなるな、と話しかけました。
搬送されてエレベーターに乗った時、
私は急に膝から崩れ落ちて
涙もあふれて落ちて息もできなくなりました。
思ってたのと違う、
はるかに強いかなしみが私を襲ってきました。
逃げるのが上手い私でもかわしきれない。
ずっとかなしいんだよ。
ずっとこわい。